食べ物を落しても3秒以内なら大丈夫?3秒ルールの起源と安全性について(改訂版)

食べ物を落しても3秒以内なら大丈夫?3秒ルールの起源と安全性について(改訂版)

食べ物をうっかり床に落とした時、あなたはどうしますか?

いつでも食べられるものならそのまま「あーあ」とあきらめられますが、限定お取り寄せ、高級スイーツ、滅多に食べられない美味しいお肉、最後の楽しみにとって置いた美味しいものだった場合、心の中で「3秒以内ならOK!」通称3秒ルールでGOサインを出し、拾ってパクリとするのではないでしょうか。。

咎めているのではありません。私もありますから!(笑)

むしろ人として自然な行為とも言えるのではないかとさえ思ってしまいます。私もやりますから!(笑)

実はこの3秒ルール、5秒ルールだったりもしますが世界中にあるのです。食べ物を落とした時の「3秒ルール」の起源とその安全性についてちょっと掘り下げてみましょう。

目次

食べ物を落とした時の3秒ルールの起源とは?

「食べ物を落としても3秒以内い食べればセーフ」という、いわゆる「3秒ルール」を適用(?)しているのは、主に30代~50代だと言われています。『3秒ルール』を誰が言い出したのかははっきり明確なソースはありませんが、学校給食という集団生活の中から生まれたルールではないかと言われてます。思いだしてみましょう。小学生時代のあの日。

床に落ちた食べ物を拾って食べようとしたら、女子から「きたな~い」「おなかこわすよ」と言われ、とっさに4時間目の体育の時に覚えたばかりのバスケのルールを思い出し「さ…3秒ルールだからセーフだよ!」などと言ったセピア色の思い出。

今から40年程前にこんな現象が全国各地、あちらこちらの小学校で発生し、いつの間にか「3秒ルール」として定着したのではないかという説が今のところかなり有力です。

ちなみに「食べ物を落としても時間内ならセーフ」の大元の起源をたどると、モンゴル帝国のチンギスハーンが「12時間ルール」を設けていたと言われています。さすが雄大なるモンゴルの皇帝。スケールが違いますね。

読者の方から寄せられた3秒ルール起源説

この記事を改定する前、2021年の5月に、読者の方からコメントを頂きました。その内容は・・・

埼玉県の63歳の者です。
今から46年前(2021年から46年前・情報提供者が高校2年生の時)女子高校時代にバスケットボール部に所属をしていました。練習後の部室でのこと、いつものようにお煎餅などを仲間と食べていました。よくあることですが、(お煎餅だったかと思います。)最後の一つが直座りの床に落ちてしまったのです。最後の一つだったので、「3秒ルール」と言って食べたのが始まり。それからは私たちの間で、3秒ルールは普通の言葉となりました。
私は、バスケットボールのポスト(ゴール前の台形の場所を守備位置とする)だったので、3秒ルールは、日頃から使っていた言葉だったのです。誰かから聞いた言葉ではなく、自分たちが言い出した言葉だったんです。
そして何十年か経って、巷で「3秒ルール」とあちらこちらで言われていて、びっくりしました。「もしかして、私たちが口から出た言葉?」ほぼ全国的に広がったなんてびっくりするとともに、言葉というものはこうやって生まれ、流行っていくんだなあと不思議な気持ちがしています。

・・・というものなのですが、一説によると3秒ルールが始まったのは1970年頃と言われていて、情報を寄せて頂いた方の年齢から逆算するとちょうど1975年に当たり、この頃にバスケットボールの3秒ルールに由来して自然発生的に始まったのではないかと、より信憑性が増したように思います。

海外では5秒ルール? 日本だけじゃない食べ物を落とした時のルール

日本で言うところの「3秒ルール」は海外にもありまして、アメリカやイギリスなどでは「5秒ルール」というものが存在します。

こちらの「5秒ルール」は日本の「3秒ルール」よりも発祥が古いので、「5秒なら安全」と信じ切っている人も含め、「5秒ならセーフ」という人が老若男女問わずに多く存在するというから驚きです。男性よりも女性の方が5秒ルールを適用しているというデータもあるほどです。

5秒で思ったのですが、バスケットボールには3秒ルールと、5秒ルール、8秒ルール、24秒ルールなどがあります。もしかしたらどちらもバスケットボールに由来してるのかも‥と妄想してしまいます。これは妄想です。余談でした。

酔っ払いバージョン

アメリカの学生寮などでは伝統的に「5秒ルールの酔っ払いバージョン」として「食べ物を落としても10秒間ならセーフ」というルールも使われています。

判断力の鈍っているヨッパライの状態なら食べ物を拾うのにも時間がかかるからという理由でしょうね。食べ物的にどうなのかとは思いますが、アメリカらしい発想だと思います。

さしずめ日本なら、酔っ払いバージョンでは6秒でセーフなのでしょうか?(笑)

食べ物を落とした時に3秒で拾って食べるのは安全なのか


では実際、食べ物を落とした時3秒で拾って食べるのは安全なのでしょうか?実は日本よりも5秒ルール信仰が厚いアメリカやイギリスなどで盛んに実験が行われています。

実験方法はバクテリアを植床した床とバクテリアを含んでいない乾燥した床を使いグミ、クッキー、ソーセージ、パンなどをそれぞれ置いて時間を計るというものです。

イリノイ大学の研究

キャンパス内の床のサンプルを採取したところ、ほとんどの場所でバクテリアは発見できず、そうした汚染されていない床であれば食品を落としても安全に食べられる可能性が高く、反対に床の汚染が進んでいる場合では、5秒以内であっても多くの菌が付着するという結果でした。

ラトガース大学の研究

タイルや木材、カーペットなどの床に食品が接している時間によってバクテリアの量がどのように変化するかを調査しました。その結果、ほとんどのバクテリアは、落下後1秒以内に食品に移ることが判明し、5秒ルールは適当ではないとされています。

研究のまとめ

結果、食べ物が床に接している時間よりも「床の汚染状況」の方が重要で、どんな食べ物でもバクテリアのいないところへ落とせば3秒どころか10分でも大丈夫という事なのですが、反対に、汚染された床に落とした場合は1秒でも菌が移動することが分かっています。

確かに、お皿の上に置いたとしてもお皿が汚れていたら食べ物は菌に汚染されますよね。3秒も5秒も関係なく床に落ちた食べ物はあきらめた方がよさそうです。

それでも3秒ならサっと拾えば大丈夫!と思いたくなるのが人の常です。私もそうです!(笑) 諦めきれなければ、あくまでも自己責任での判断となります。体調不良や免疫力が落ちている時などは、どんな菌に体が反応してしまうかわかりません。そんな時は、3秒ルールで勝負に出ない方が無難だという事です。

さすがにこれはダメでしょう(笑)・・・無茶な勝負は避けましょう。

もうひとつおまけ、3秒ルール適用外

3秒ルール適用外:落してこぼした鍋

絶対ダメ

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