クリスマス・イブ ~ イブは Evening の略なので、つまり「クリスマスの夜」と言う意味で「前夜」という意味ではない。

クリスマス・イブ ~ イブは Evening の略なので、つまり「クリスマスの夜」と言う意味で「前夜」という意味ではない。

おそらく知ってる人は知ってる事なのだけど、クリスマス・イブの「イブ」は Evening という意味で、つまり‥

目次

クリスマス・イブは「クリスマスの夜」と言う意味で前夜ではない

今では多くの人が何となく、前夜のことを指して「イブ」という言葉を使っていると思うけど、正しくはこれは誤りです。

元々キリスト教の母体となったユダヤ教の暦では、1日は日没から始まって日没で終わるからです。1日の捉え方が今の私たちとは異なり、1日の始まりは夜なのです。

日本人の1日の感覚

日本では1日の始まりは夜明け、つまり日の出と共に1日が始まるという感覚があります。

天照大神、太陽神に対する信仰の影響もあるかもしれません。朝日が昇る様子を見て1日の始まりを実感する人も多いはずです。

ところが外国人、特に英語圏の人たちは違うことが往々にしてあります。

現代社会の1日の感覚

外国人の友達と約束する際、「明日会おうか? – Can I see you tomorrow? – Let we meet tomorrow!」などと、うっかり午前1時とか2時くらいにメールを送ってしまうと、例えば12月23日の25時とか26時つまり正確には24日の1時2時だった場合、こちらは24日に会うつもりが相手は25日に会うという意味と捉えられてしまったりします。

以前は随分と行き違いもありましたけど、徐々に国際感覚も進んだのか、「明日会おうよ。あ、もう今日だね。」とか、具体的に「 Let we meet on 24!」と言ったりするようになったと思います。

徐々に、1日の始まりは午前0時という感覚が浸透してきていると思います。

聖夜 – Christmas Eve

ユダヤ教やキリスト教におけるクリスマス・イブは聖夜、聖なる夜なので、家族が集まって食事を摂り、静かに過ごします。

そもそも、クリスマスは家族で過ごすという習慣が元にあるので、現代暦で言う24日の夜に集まり、25日の日没まで一緒に過ごす‥というわけです。

だから、飾り付けられたツリーや、持ち寄られたプレゼントなどはクリスマス・イブまでに準備を整えておきます。

サンタクロースが活動するのもクリスマス・イブ、つまりクリスマスの始まりと共に活動を開始するわけです。

サンタクロース

そう、クリスマス・イブがクリスマスの始まりで、前夜ではないのです。

現代の暦でいうと、24日の日没から25日の日没までが本来のクリスマス、Christmas Day なのです。

「メリークリスマス!」と言うタイミング

だから、24日の日没以降は「メリークリスマス!」と言って良いのです。

ちなみ、多くのキリスト教の国々では、24日の夜、クリスマスの始まりから新年が明けるまで、つまり24日の夜から翌年1日までを年末年始休暇とする習慣が多くあります。2日から仕事始めという場合が多いです。

日本の年末年始休暇とは違いますね。

生活習慣の変化と感覚の変化

家族が集まり、家族で過ごし、寝て起きたらプレゼントを開ける。この習慣が、前の日にサンタクロースがプレゼントを配って回り、クリスマスの朝に届けられているという伝説に繋がっています。

ユダヤ歴を使わないキリスト教の人や日本人にとっては、朝起きたらクリスマスの始まり、クリスマス・イブはその前の夜という感覚が生まれてしまったわけです。

「イブ」という意味を正しく捉えておきたい

現代暦が普及しその習慣に慣れ親しんだ現代感覚では、クリスマス・イブをクリスマス前夜と捉えても強ち間違いとは言い切れないが‥、それはクリスマスに限っての事と捉えておきたい。

ユダヤ教に始まったクリスマスという行事、習慣には、重んじられるべき歴史があります。

お祭りの前日の夜から始まる前夜祭とは全く異なるものなのです。

クリスマス・イブの「イブ」は Evening 、だから「その日の夜」というのが正しい意味です。

他者の習慣や風習、歴史を重んじればこそ、自身の習慣や風習、歴史も重んじられます。

「めんどくせぇなぁ」とか「理屈っぽい」とか安易に片づけてしまわずに、普段使っている言葉や意味とは別に、本来の意味を後世に残していきたいと、私は思うのです。

クリスマス・イブをクリスマス前夜と認識するのは良いのですけど、23日の夜をクリスマス・イブ・イブと言ったり、クリスマスとは関係ないイベントで「○○の前夜だから○○イブだね」などと使わないように心がけて頂きたいな‥と思うのであります。

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