【注意喚起】斧(おの)と 鉞(まさかり)と 危ない斧!間違った使い方、形状によって危険なので要注意!&斧の正しい使い方。

【注意喚起】斧(おの)と 鉞(まさかり)と 危ない斧!間違った使い方、形状によって危険なので要注意!&斧の正しい使い方。

目次

斧(おの)と鉞(まさかり)と”斧もどき”の危険性

危ない斧(おの)の存在

昨今のアウトドアブームやキャンプ人口が増えるにつれて、野外で焚火を楽しむ人も増えています。そこで薪を割る必要が生じたり、薪割りそのものを楽しむ人も少しずつ増えている様です。

薪割りに使用する道具として、斧(おの)、鉈(ナタ)、大型のナイフが使われます。鉈(ナタ)やナイフを使った薪割りは、基本的に対象の木に刃を当てた状態で地面や台に打ち付けたり、バトニングと言われる方法で薪を割るので、刃物を振り被ったりすることはありません。

しかし斧(おの)は、手斧は別にしても基本は振り被って薪を叩き割るものなので、それだけでも危険が伴いますが、それだけでなく、カッコよさを優先して作られたために危険な形状をしている斧(おの)が存在します。そして、それで薪割りをすると更に危険性が増してしまうのです。

例えばですがこれ↓↓

バトルアックス 武器としての斧

これは手斧として描かれていますが、バトルアックス、つまり武器としての斧(アックス)をデザインされたもので、実際にこのような形状で斧(おの)が作られて薪割りに使用されたらかなり危険が伴うことになります。

順に説明していきますね。

まずは・・・

斧(おの)と 鉞(まさかり)

みなさん、斧(おの)と鉞(まさかり)の違いってわかります?

有名な金太郎の歌に「まさかり担いだ金太郎~♪」という一節がありますが、実は金太郎が担いでいるのは鉞(まさかり)ではなく、あれ、斧(おの)なんです。

金太郎が担いでいるのは鉞(マサカリ)じゃなくて斧(オノ)

では、斧(おの)と鉞(まさかり)の違いを見てみましょう。↓↓こちらです。

斧(おの)と鉞(まさかり)の違い

上が斧(おの)で、下が鉞(まさかり)です。ややこしいのは、どちらも頭(かしら)と柄(え)から構成され、英語に訳すとどちらもAx(アックス)と呼ばれるので同一視してしまいがちなこと。ですが、その形状と厚みの違いだけでなく用途も違い、間違った使い方をするとかなり危険なのです。

斧(おの)の用途と使い方

斧(おの)は頭が重く、断面は楔(くさび)のような形をしてます。この特徴を活かして、頭上から振り下ろし、薪を左右に割るのが主な役割です。

斧(おの)は、重みと勢いとクサビ形で薪を割る。この事を頭に入れておいてください。

そして斧(おの)の柄にも特徴があって、真っ直ぐな柄もありますが、多くは弓型に曲がった形状の柄を持っています。これは柄の端を持ったとき、軸が頭の重心と同じになるように作られているからです(図の点線を参照)。それによって頭上から振り下ろす際に安定するようになっています。

鉞(まさかり)の用途と使い方

鉞(まさかり)は、木材の側面を削ったり、枝を払ったりするのが主な用途です。その為、斧(おの)と比べると断面は薄く、頭も軽くできています。刃も斧(おの)より鋭い形状をしています。

斧(おの)と鉞(まさかり)の違い、ざっくりですがわかりましたでしょうか?

いろんなデザインの斧(おの)

最近特にですが、色んなデザインの斧(おの)が出回るようになり、明らかに見た目を優先したと思われるデザイン斧も見られるようになりました。そのデザインは実際のところ多岐に渡りますが、ここでは問題提起になるものとして3つのタイプを紹介します。

色んなデザインの斧、代表的な3タイプ

3つに共通しているのは頭の形状で、いずれも頭の刃が、鉞(まさかり)みたいな形で持ち手方向に長く伸びて、頭の付け根と比較して随分広い刃となっています。いずれも同様のデザインの斧(おの)が実際に売られています。

1番上は頭と柄が一体になったもので、2番目と3番目は頭と柄が別々に作られています。

この中で危険な斧(おの)が3番目です。一見すると鉞(まさかり)?と思うかも知れませんが、この形状では引き切りができませんし、実際売られているものは頭が重く、鉞(まさかり)としては使えません。

危険な斧(おの)が危険な理由

この図↓↓をご覧ください。

危険な斧の形状

この形の斧(おの)で、振り下ろして薪割りに使えるのは青い○印の部分だけです。謝って赤い×印の部分に当ててしまうと、テコの原理によって頭が柄から抜けようとする力が働き、頭がぐらついてきたり、最悪の場合振り被ったり振り下ろしたりしたときに抜けてしまいかねません。赤い点線部分は事実上使えない、使ってはいけない部分という事になります。

斧(おの)は薪を切るのではなく割ります。その重みとクサビ形状を利用して薪を叩き割るのです。使う時には相応の力がかかりますので、緩んだ頭は非常に危険ですし、緩みやすい形状も危険な斧(おの)と言えるのです。

もちろん薪割りのベテランならば、こうした形状も理解して青い○印の部分だけを上手に使えると思いますが、むしろ薪割りのベテランであればこうした見た目のデザインを優先した形状の斧(おの)は選ばないものです。

ちなみに、1番目の斧(おの)は柄と一体になっているので、そもそも頭が抜ける心配がありません。また2番目の斧(おの)は、デザインを優先しつつも、柄との接合部も持ち手方向に長くなっていて、通常の斧(おの)と同じように扱えるように作られています。

でも、なぜ、こうした危険を伴うようなデザインの斧(おの)があるのでしょう?

危険なデザイン斧(おの)が生まれる背景

西洋では斧(おの)も鉞(まさかり)もAx(アックス)と言いますが、日本で言う鉞(まさかり)とい名称が無いだけで、鉞(まさかり)としての使い方はあります。専門職の人たちは頭(かしら・ヘッド)の形状によって使い分けているのです。

そして、西洋ではアックス(斧)が武器として使われてきた歴史があり、アニメやゲームなどでそうした武器が登場するシーンが多々あるのです。

バトルアックス・斧もどき

武器として使われる斧(おの)は俗にバトルアックスと呼ばれ、これは薪割りの道具ではなく武器なのです。そしてゲームやアニメに登場するバトルアックスは単純にカッコイイので、男の子の心をくすぐります。中世の武器やアニメに登場したバトルアックスを紹介すると・・・

武器としての斧、バトルアックス

こんな感じです。

これらは敵を倒すための斧(アックス)で、薪割りの道具ではないという事を認識する必要があります。

こんな形状の斧もどきで薪割りをしたら大変危険だからです。確かにアックス(斧)という呼称はついていますが、この場ではあえて斧もどきと言わせて頂きます。

どうでしょう?斧(おの)と鉞(まさかり)の違い、見た目のデザインを優先しただけの斧もどきの危険性、伝わりましたでしょうか?

続いて斧(おの)を使った薪割りの方法を見ていきましょう。薪割りの仕組みを理解すると、見た目がカッコイイだけの斧もどきが機能的には無駄なデザインを持っていることがわかります。

斧(おの)の使い方

斧(おの)で薪(まき)を割る時の注意

先ず、周囲に人がいないことを確認します。特に薪を割る人の前後は危険です。

そして、斧(おの)で薪を割る際は、斧頭を頭上まで持ち上げて、円弧を描くように頭(かしら)の自重を活かして振り下ろします。

その時、頭上より後ろへ深く振り被る必要はありません。薪割りに強い力も必要以上の勢いも要りません。斧頭の重みを利用して振り下ろすのが基本です。

斧で薪を割る時の注意

そして円弧は薪に当たるまでです。その先まで円弧を描いてしまうと刃が自分の足に向かってくるかも知れないので危険です。

ではどうするか・・・

斧(おの)を使った正しい薪割り

斧を使った正しい薪割り

頭上まで振り上げた頭(かしら)を円弧を描いて振り下ろし、薪に当たるところからは斧頭を真っ直ぐ下すようにします。

こうすることで、頭のクサビとしての機能が活かされ、薪をキレイに割ることができます。そして刃が自分の足に向かってくることもありません。

多少コツのいる作業ですが、慣れてしまうと大して力を必要としませんし、軽々と薪割りが出来るようになります。

道具は正しく使いましょう

カッコよさに惹かれる気持ちは理解できますが、重くて刃が付いている斧(おの)は、一歩間違えば凶器にも成りかねない大変危険を伴う道具です。

見た目だけにとらわれず、その機能をしっかり理解して、正しい道具を正しく使うように心がけたいものです。

それと知らずに危ない道具を使っている事は、見る人が見ればわかります。見た目にとらわれた、ちょっと恥ずかしい道具‥という見方をされるかも知れません。

ちょっと問題

ここに4本の手斧を紹介します。

手斧の場合は振り下ろして薪を叩き割ることもできますが、鉈の様に薪に当てた状態で薪と一緒にコンコンコンと打ち付けたり、バトニングによって薪を割る方法もあるので、その様な使い方をすれば安全に使えます。その事を前もってお断りしておきます。

もし、振り降ろして薪を叩き割る作業をした場合、この中に少々危なっかしい手斧が1本あります。あくまでも注意喚起の意味で紹介しています。商品に対する他意はございませんので悪しからずご了承ください。

さてどれでしょう?皆さんで考えてみてください。

4つの手斧を紹介します

カッコよさと道具としての本質は異なるという事が伝われば幸いです。

薪割りについて紹介したい動画

最後に、斧(おの)の使い方や薪割りについて幾つか動画を紹介させて頂きます。

お時間のある時にでも参考にして頂ければ幸いです。

【知らなくて死にかけた】

斧と鉞の命に関わる使い方の違い【キャンプ薪割り】
https://youtu.be/ICmQWOIhHxE?si=smBaBySdYf7l8IiP

【命に関わる】

鉞のヘッドが抜けて大変なことに…ヘッドが抜けないようにしてみました【キャンプ薪割り】
https://youtu.be/ckIly_x-LG4?si=83Nqdl-Dd-cS-xkZ

キャンプで使うならどっちを選ぶ?

斧と鉈の特徴・使い方を徹底解説|薪割りのコツ
https://youtu.be/c8iHl82qZc0?si=ov2YzlBfIvrbFEai

斧の正しい使い方:振らずに打ち降ろす。

達人が解説「薪割り用斧の選び方、振り方」キャンプで恥をかきたくないあなた必見!
https://youtu.be/dPVk9w6JuA4?si=10k0BAaAogEdtykp

 

雑学・豆知識カテゴリの最新記事