ども。
ふと急に市場にいってみたくなった氷堂です。
何故でしょう。わかりませんが気持ちが市場にむいてしまいました。思い立ったら吉日。さっそく夜中に編集長にメールして(返答はなかったけどダメと言われたらもう出ちゃいましたって言えばいいから)早朝から行ってきました。
僕がいる船橋から築地市場までは、JR総武線の秋葉原まで行って日比谷線に乗り換えて築地駅まで行くんですが、もう旅行気分なんで総武快速で新橋まで一気に行き、そこからタクシーでワンメーターというリッチな方法で行きます。もちろん総武快速もリッチにグリーン車です。だってプチ旅行ですから。コンビニでお菓子を買って30分満喫します。
さっそく電車に乗ると、朝の5時30分の登りの総武快速はガラガラでしたが、グリーン車で行きました。経費で落とすつもりなんで、ガラガラの電車もワイルドにグリーン車です!
とりあえず今までの景色がまったく変わってビュンビュンです、周りが。怒鳴り声と観光客の中国人とターレー(暴走マシーン、詳しくはこちら)がバンバン走っていてもう異国です。
寝不足でふらふらで来るところではなかったかもしれませんが、もう後戻りはできません。場内の案内をしてもらうためにコンシェルジュを呼んでしまっているからです。僕クラスになると案内人がつきます。。。
本当は知り合いのお寿司屋さんの仕入れにお願いして同行させてもらうのですが。築地場内は全くの無知だから。目のいい方は気づいたと思いますが、動画の最後にそのお寿司屋の蟹沢さんが映っています。寿司屋でカニ?って思う方も多いと思いますが、お店ではそんなにカニは出てきません。安心してください。
ということでさっそく場内に潜入です。かごがとってもかわいいですね。
すたすたと歩き出し
とっとこと進み
一軒目のお店 『桜井三善』さん アナゴの専門店です。
とても豪快に品定めしますね、と思ったらみんなやってます。
お金を払って次に移動します。 ん?
つっとこつっとこいきます。
つっとこつっとこ。
二件目の『伏梅』さん。とても親しいようです。
どうやら今日はヒラメがおすすめみたいです。
まだ生きている赤貝を袋に詰めていきます。
伝票だけ出して次に行くみたいです。ん?(二回目)
温かいコーヒーをいただきました。元々、寒い中で更にあちらこちらで水が流れてて水も撒いているからとても寒かったので心にしみます。
飯だこがこれから旬だと教えてくれました。頭の部分にタマゴがギュっと詰まってていて、それがご飯を詰めたように見えるから、そう呼ぶそうです。
カゴはさきほどのお店に置いてきました。盗られることはないそうです。
三件目のお店 『大萬』さんに来ました。まぐろの専門店です。混み合っているので人気店なんでしょう。
荒々しい板前さんたちが帰られて僕らが入店するとすぐにサッとお茶を出してくれました。嬉しいですね。
とても綺麗なマグロですね。
心が優しい人がさばくマグロは綺麗なんですね。
『温かいお茶、ごちそうさまでした!』
とてもさわやかな気持ちで店を後にしようと思ったときにふと気づいてしまったのです。湯のみが二つしかないことに。そしてこの店では流しやシンクがないことに。そして先ほどの板前さんたちもお茶を飲んでいたことに。これが築地ルール!!! 粋!!!
つっとこ、つっとこ。
四軒目の『山福』さんに来ました。ウニがずらっとあります。
ふと奥を見ると。ん?(三回目)
つっとこ、すっとこ。
五軒目 『八木正』さん こちらは生け簀(いけす)があり新鮮なカワハギとシマアジが優雅に泳いでいました。お買い上げです!
ここでもまた。ん?(四回目) なんで小さな箱に入っているんだろう???
ずんずん。
六軒目 『鈴一』さん。 海老の専門店です。新鮮なボタン海老が抱えてるタマゴは真っ青でとても綺麗です。これも買いです。
うん。
うんうん。
ん?
んん?もう五回目ですよ、ここまで来たら気になって仕方ないです。
なんで?なんで? 小さな家でお会計してるの???
謎ですよ? この細い道でターレーがガンガン飛ばしていることより、場内が禁煙なのに荒々しい板前さんたちがタバコ吸いながら買い物してることよりも、なんでみんな小さな家を建ててそこで会計してるの???
あちらこちらで買い物するたびに『伏梅』さんに置きっぱなしにしているカゴに入れて、入れては買いに行って、まるでこの店は基地ですね。
今日もいろいろと収穫があったらしくご満悦ですね。
買い物がだいたい終わったので『伏梅』さんのお会計も支払いです。
とてもとても狭い、小さな小屋ですね。
お姉さんの機嫌も良さそうなんでここで聞いときましょう。『すいません。なんでこんな所に住んでいるんですか?』
『。。。』あざやかにスルーされました。
『昔から伝票で商品管理してるから店の中だと濡れちゃうからだよ、今はパソコンで管理してる店も増えたけどね。でも少しでも商品を並べるスペースを確保したいから人が入れるギリギリの大きさで箱を作っているんだよ』と、最後は優しく教えてくれました。なるほど。なるほど。
ささささささっ。 もう帰るんですね。二時間歩き回りましたからね。うん。さっさと帰りましょう。みなさん、狭い道でガンガンぶつかってくるので、体も心も疲れてしまいました。ターレーはガンガン近くまで突っ込んでくるし。
あ、そうだった、マグロを適度な大きさにさばいてもらってたんでしたね!
中身をしっかり確認して間違えないようです。
・・・。粋な湯呑みが二つおいてありますね(笑)
カゴもパンパンです。いい買い物が出来ました。うーん。楽しかったなー。
こんなふうに人がふたり並べるくらいのスペースで。
ガンガン飛ばしてきます。当たられそうでとってもスリリングです!
なぜか真サバをもみもみして弾力を確認して買っています。まだ終わらないようです。
ずんずんどっこ、ずんずんどっこ~ 結構もう疲労困憊です。
こちらでは真鯛のうろこをガリガリと取っていて、半径1メートルにもれなくうろこビームが飛んできます。当たると結構痛いです(笑) 道がせまいので避けれないので早めに通り過ぎましょう。
それから黙々と歩きます。甘鯛を探しているようです。値段がはね上がっているものはあるんですが、それではお客様に出すときの値段もはね上がってしまうため、手ごろの値段の甘鯛を探し回るのです。すぐにみつかるものがあれば、歩き回っても見つからないものもあるんですね。きっとこの辺が仕入れの醍醐味なんでしょうか。
どうやら今日はあきらめたようです。背中が寂しそうに見えます。
後ろ髪を引かれながら築地市場内を後にします。
場外でも買い物をします。こちらは『大島屋』さん。ワサビ屋さんです。
お金にはならないけどワサビはお寿司屋には大事なアイテムですね。
どうでしたか?築地の仕入れに同行させてもらってたくさんのことを学びました。人生経験としてとても良かったと思います。そして一番学んだことは、白いジャンバーでは行ってはいけないということです。なぜかジャンバーがビショビショでした。
板前さん、お寿司屋さん、町のお魚屋さん、みなさん鮮度を確かめるために魚を触ります。せまい道で。そしてそのまま次の獲物を求めて人混みにもぐり込みます。そんななかで白いジャンバーで行くのは築地色に染めてくれということになります。みなさんの愛があふれ過ぎて、ノラ猫が僕を嗅ぎ付けたら襲われそうなくらい粋な『おさかな臭』がプンプンします。ウロコも数か所ついていました。
朝の3時に起きてモッシュ状態で3時間たっぷり汗をかかせてもらったので、今日はこのまま帰ろうと思います。編集長からは鬼電が掛かってきてますので『携帯をなくして僕のほうが大変だったんですよ!』と逆ギレして大変だったねと明日ほめてもらおう。
あ、あとほぼ後ろ姿だった蟹沢さんは正面から見ると福山さんに似てます。
こちらでご確認できます。