タイで3つの旅をやってみた。王道か? ディープか? 気ままがいい?

タイで3つの旅をやってみた。王道か? ディープか? 気ままがいい?

旅の楽しみは十人十色。読者の皆さんは旅先でどんな風に遊んでいますか?

旅を愛するオコシは、この年末年始を利用して、日本との結びつきが強まるタイへ出かけました。そこで、日本人に人気の定番コースを「王道」、ユニークな内容で市民のリアルな生活に近づける「ディープ」、ひとりで行き当たりばったりで歩く「気まま」の3種類に分け、まったく違った旅の楽しみ方を試してみたのです。

ちなみに、ぼくは決して海外旅行に慣れていません。タイ初上陸でわからないことだらけでした。

目次

王道の旅

タイに来たからには外せない観光名所へ。海外現地オプショナルツアー専門 の「VELTRA」で、人気のオプショナルツアーへ参加してきました。

ダムヌンサドアク水上マーケット+世界遺産アユタヤ遺跡+象乗り 観光ツアー<昼食付>」(VELTRA)。料金は2000バーツ(約6600円)です。

ワゴンでの送迎と日本語ガイド付きで、ダムヌンサドアクの水上マーケットとアユタヤ遺跡という超定番の観光スポットに連れて行ってくれます。

rDSC06346朝6:30、まだ暗いうちに「ウェスティン・グランデスクンヴィット」で待ち合わせ。日本人宿泊客の多いと思われる高級ホテルです。ガイドと日本の観光客と一緒にワゴンに乗って、水上マーケットへ向かいます。

rDSC063741時間ほど走って、ココナッツ観光農園でトイレ休憩。お土産屋さんに立ち寄るスタイルは、日本のバスツアーと同じですね。

rDSC06355ガイドのレックさん。日本語が堪能で、かなり手際よく仕切ってくれます。

出発から2時間と少しで、ダムヌンサドアクの運河に到着です。「スピードボート」と呼ばれるエンジン付きのボートで水上マーケットのエリアへ。

rDSC06380

rDSC06511

小さく見えて中々しっかりした船です。速い、速いですよ!!?

rDSC06440

ダムヌンサドアクには、2000以上の運河があるそうです。ガイドのレックさんが教えてくれました。

水上マーケットに到着。船の上で店を開き、雑貨や食べ物などを売っています。

rDSC06611

rDSC06612

200バーツ(約660円)追加して、イケメンの手こぎボートで運河の奥へ。

rDSC06621

rDSC06626

rDSC06629
rDSC06635

rDSC06637

350mlのビールが100バーツ(約330円)。タイの感覚ではとても高いです。

rDSC06633

水上マーケットで遊んだ後はバンコクへ戻り、高級ホテルで昼食。

rDSC06710

rDSC06696 rDSC06698文句の付けようがない多国籍バイキングです。

午後は一路、世界遺産のアユタヤ遺跡へ。
1767年まで約400年間、王国の都だったところです。ビルマ軍との戦で、破壊された寺院や王宮がそのままになっています。かつての栄華が忍ばれます。

rDSC06720全長28mの涅槃仏像(ネハンブツゾウ)。かつては、礼拝堂があったのですが、戦争で破壊され、今は残っていません。

r2604近くでゾウ乗り体験もできます。背中の椅子に乗って、ゆらゆらと快適です。

アユタヤの遺跡は一カ所ではなく、市内にいくつか点在しています。車で連れて行ってくれるのはとても快適です。

rDSC06783

お寺の跡。映画の世界にいるようです。

rDSC06829

rDSC06883

rDSC06790
rDSC06800

この日の気温は33度。遺跡を一回り歩いた後、車のエアコンが染みます。

rDSC06862壊された仏像の頭を、誰かが菩提樹の上に置いたのでしょう。長い月日を経て、木が育ち、仏像が幹に抱かれるように浮かんでいます。

rDSC06922

ガイドさんが歴史や背景を詳しく説明してくれたので、知識なく観て回るより、深くアユタヤの遺跡を知ることができた気がします。

3時間ほどアユタヤ市内を観光してバンコクへ。ぼくは市内中心地でおろしてもらいましたが、ホテルまで送ってもらうことも可能です。

ディープな旅

欧米人が経営するという小さな地元旅行社のサイクリングツアーに参加しました。

4時間で巡る本物のバンコク、サイクリングツアー」(Voyagin)。料金は1250バーツ(4252円)です。

集合場所は旅行者の事務所。

他の外国人と一緒にサイクリングへ出かけます。英語が話せるタイ人のガイド1人+ドイツ人4人+フランス人3人+日本人1人という組み合わせです。

rDSC04581

西欧人向けと思われる大きめの自転車に乗って、いざスタート!

rDSC04590

走り出して早々、細い路地に入っていきます。こんな道、旅行者は連れてこられなければまず入りませんね。

rDSC04594

30分ほど走って最初のポイント。バンコクのスラム街です。
ガイドによれば、暴力や麻薬がはびこるスラムではなく、安全で「人々は幸せに暮らしている」と言います。

rDSC04602

思いっきりプライベートな空間を抜けていきますね。

rDSC04611

rDSC04618

この電線!! 漏電や火事が心配です……。

rDSC04624

バンコクの下町の人は、旅行者にとてもフレンドリーです。

rDSC04677子どもたちはぼくたちを見ると、「ハロー」とハイタッチを求めてきます。

rDSC04686船着き場にやってきました。寝ている犬を、自転車を降りて避けなければいけないほどの、小さな船着き場です。

rDSC04704

船はこれ。

rDSC04752

王道の旅のスピードボートとはちょっと違いますね。

rDSC04697

もう一隻に自転車を積みます。

猛スピードでチャオプラヤ川を渡ります。ジャバジャバ水が顔にかかってきます。

rDSC04734

ジャングルが見えてきました。大都会のバンコク市街とは違った趣。

rDSC04718

対岸に到着。地元の男性が楽しそうに子どもとテレビ電話をしています。お孫さんでしょうか?

rDSC04758

湿地帯に浮かぶ小さな道を通り、ジャングルを駆け抜けます。

rDSC04765

rDSC04795

気を抜けば落ちそうな道を、地元の人はバイクで走っていきます。

rDSC04814

しばらく走って地元のレストランへ。

rDSC04892

ここでパッタイ(米粉の焼きそば)をいただきます。ぼくが頼んだのは豚肉のパッタイ。

rDSC04894

ひやむぎのような細麺はやわらかく食べやすい! 豚肉の他にもタマゴやニラ、もやしに豆腐など具だくさんです。

お腹いっぱいになったところで再びサイクリング。

rDSC04959

rDSC05010部屋から釣りができる家に住むの、夢なんですよね。

地元の古寺へも。

rDSC05022

由緒あるお寺のようですが、チケットや入場料は必要ありません。荒れているところが、むしろ歴史を感じさせます。中に入ると凛とした空気が伝わってきました。

rDSC05043自転車を積んで、再びチャオプラヤ川を市街地へ。

最後は、地元にたくさんあるというムエタイのジムへ。こちらはジムのトレーナー。

rDSC05066この日は2015年の大晦日で、バンコク市民も休日。ふだんなら練習している風景が見られるそうなのですが、この日はお休みでした。残念!

有名観光地ではなく、庶民の暮らしに近づく旅。リアルなタイを体験できたような気がします。

気ままな旅

最後は、自分だけで楽しむ気ままな旅です。特に事前のリサーチはなく、行き当たりばったりで散策します。

とはいえ、ひとつ目的はあります。外国に来たからには、チャレンジしたいのが、「床屋」です。

現地の人と仲良くなるには、髪型から寄せていかなければ! ということで、バンコクのメインストリート「スクムウィット通り」へ床屋探しの旅へ。

snapshot2

屋台もたくさん出ているので、散髪の前に何か食べようか、なんて思いながら歩いていると、美しい女性のたむろしている一角が。

snapshot1

近づいてみると、どうやらニューハーフのお姉様たちのよう。マッサージのお店だそうです。

ぼくのカメラを見て、鬼の形相で「No! Photo!」と釘を刺されたので、ここからしばらくは写真なしでお送りします。

マッサージが1時間500バーツ(約1600円)なので、日本の金銭感覚からすれば激安です。

もちろん、ここでは書けないエッチなマッサージ店かと疑いました。しかし、大通りに面したお店で、まだ日没前。

しかも、タイといえばニューハーフの国。「男性の力強さと女性のやさしさ、両方持っていてマッサージには向いているのかな」と好奇心に負けて、500バーツを払います。

担当してくれるというお姉様について、薄暗い階段を上ると3畳ほどの個室が。

ぬぅう、あやしい……。

お姉様「服を脱いで。オイルマッサージだから」

なるほど。確かに、オイルマッサージなら脱がねばなりません。パンツ一丁になると……

お姉様「それも脱いで」

なにぃぃぃぃ! やっぱりエッチなお店か????

お姉様「オイルマッサージだから脱がなきゃできないでしょ」

うーん、そうなのか? 伝統のタイ古式マッサージとはそういうものなのか??

しかし、ここまでくれば、もうされるがままになるしかありません。全裸でうつぶせになり、オイルを塗ってもらいます。

開始5分。「あれ? 意外とふつうのマッサージか?? 」と、ぼくは思い始めます。今のところ、普通にコリをほぐしてくれています。

BMGもリラクゼーション系の心地よい音楽。図書館や美術館でかかっていそうなやつです。ユーロビートなどではありません。

疑念は薄れたとはいえ、ぼくには心配事がありました。

お姉様「それじゃあ仰向けになって」

きたっ!! このまま仰向けになったら、全部見えてしまうではないか!

オコシ「タオルを巻いてもいいかい?」

お姉様「いいわよ。シャイボーイ」

ひと安心。お姉様の腕が、ちょうどよい具合にツボを刺激します。あまりの心地よさに、ウトウトしながら身をゆだねていました。

しかし、20分後、恐れていたことが現実になります。

彼女が「Tin♪Tin♪」とぼくの大事なところをツンツンしだしたのです!

お姉様「スペシャルコースがあるの。Tin♪Tin♪」

まずい。このままでは、色々なものを失ってしまう。

オコシ「ノーマルでいい」

お姉様「そんなこと言わないで。スペシャルがないと、私、お金もらえないの」

「そういうシステムか……」と思いつつ、ここは断固とした態度を取らねばなりません。「これで終わりだ」と突き放し、急いでシャワーを浴び、服を着て部屋を出ました。

入り口には、来たときと同じようにお姉様たちがたむろしています。早足で突破しようと試みると、お姉様が魅惑の手つきで、

「Tin♪Tin♪」

と、再びぼくのTinTinをはずかしめたのでした。

 

まあ、これも経験。気ままな旅は、すべて自己責任なので気が抜けません。ぼくは、再び歩き始めます。今日の目的は、TinTinではなく床屋です。

通りかかった線路沿いに屋台と民家の群れが。

rDSC06216

電車が通ったら何か売るのでしょうか? おもしろそうなので、線路を少し歩いてみました。

rDSC06226

物質的には、決して豊かとはいえない生活に見えます。でも、みんな笑って暮らしています。

rDSC06961

観光案内所を見つけたので、床屋がありそうな場所を聞きました。「10分ほど歩けば、床屋がたくさんあるエリアに着く」と言います。

けれど、20分歩いても、それらしい場所には着きません。これは「パンティップ・プラザ」という電気街ビル。バンコクのアキバと言われているとか、いないとか。

rDSC06311

「何でもいいから床屋はないのか」と思い始めたとき!!!

ありました! 大通りから100mほど奥まったところに小さな床屋さん。

rDSC06289

「旅の記念にバンコクの床屋さんに切ってほしい」と頼むと、主らしき女性が「アッハッハ」と笑いながら、快諾してくれました。シャンプー+カット+ブローで180バーツ(約540円)です。

 

まずはシャンプーから。アシスタントの女性が、冷たい水とシャンプーで汗を洗い流してくれます。

rIMG_4439

シャンプー2回にリンス1回。軽くマッサージ(もちろんノーマル!)もしてくれて、最高にきもちいい! この間、女主人はずーっと笑っています。

続いて鏡の前に座ると、ぼくはノートを差し出します。

rDSC07021

「ぼくをハンサムボーイにしてください。そのためなら、どんなことをしてもかまいません。タイの女子にモテたい」と書かれているはずです。数日前に知り合ったタイの友人に、タイ語で書いてもらったのでした。

女主人は爆笑が止まりません。とはいえ、一度はさみを持つとこの真剣な表情。

rDSC06295

まずは、サイドから大胆にバリカンを入れていきます。うんうん、バンコクは刈り上げの人が多いです。これがモテスタイルなのでしょう。

そして、およそ30分かけて完成したのがこちら!

rDSC06299

ワックスをつけて、前髪をひさしのように突き出してセットしてくれました。

【カット前】

rDSC06193

【カット後】

rDSC06299 - コピー

なるほど、悪くない気がします。これでタイの女子にモテるのか? と聞くと、女主人はうれしそうに「イエス、イエス」。

ただ、ホテルへ帰ってシャワーを浴びてみると、この髪型です。

rDSC07013

イジリー岡田さん? おぼっちゃまくん? なんかキノコみたいですよね。

本当にこれでモテるのか? しばらくは、ワックスでしっかりセットしようと心に誓うのでした。

3つの旅のどれが一番楽しいか?

いかがでしたか? 皆さんはどの旅が楽しそうだと思われたでしょうか。

王道の旅は、何も考えなくても観光できるので安心です。日本語でガイドしてくれるので、学びもあります。

ディープな旅は、つかの間でも地元の人の暮らしに触れられます。「冒険感」「発見感」が醍醐味です。

気ままな旅は、何が起こるかわからないドキドキがあります。ただ、旅慣れていないと、ぼくのような失敗や、場合によっては身の危険もあり得ます。

三者三様ですが、個人的にはサイクリングのディープな旅が一番充実感がありました。王道の観光名所はテレビやWebサイトでも見られますが、人の暮らしは現地で、においや空気感を味わいたいものです。

地元の人がつくった旅/地元の人にふれあえる旅なら、ガイドブックとは違った角度で街やカルチャーを見つめ直すことができます。

2016年に流行すると、ぼくが予想している「民旅」です。

タイ関連記事

やってみたカテゴリの最新記事