編集部員ヒョウドウが、イマ興味でインタビューする「ヒョウドウくんが行く」の第10弾。
デザイナーをしながら銀座で24年間バーテンダーとしてカウンターに立つちょっと変わった経歴の大庭正志さんにインタビューしてきました。
こちら銀座3丁目にある Walk In Bar MODさん
Q.
なぜ印刷会社のサラリーマンからバーテンダーになろうと思ったんですか?
A.
印刷会社から独立したのは良いが、世の中そんなに甘くなくてホイホイ仕事が入ってくるわけではなく、たまたま常連で行っていた店が募集をしていたので始めたのがきっかけでした。もちろんお酒は大好きでしたから、抵抗はまったくなかったです。気づいたら24年経ってました(笑)
Q.
そうするとバーテンダーのお仕事をしてる時間のほうが長いんじゃないですか?
A.
そうですね。圧倒的にバーテンダーのほうが長いですが、私の中ではあくまでバーの仕事は副業です。
Q.
あれ?ではこちらのMODさんの社員ではないんですか?
A.
そうです、社員ではなくてあくまでアルバイトです!
Q.
あくまで副業でこれだけ長くやっていますが、この仕事は楽しいんですか?
A.
楽しいです。今の店に来てからが特に楽しいです。銀座で昼間の3時からやっている特殊な営業スタイルというのもあって、3時に開店してから5時まではシルバー世代の方がたくさん来てくれます。みなさん若かりし頃、この銀座で活躍されていた方々なんで、とっても興味深い話しをいつも聞かせていただけます。
Q.
そうなんですね。それはバーテンダー冥利につきますね。話しは少し変わりますが、このカウンターの短さによる圧迫感はどうなんですか?
A.
初めは違和感ありましたよ。お客様と30センチの距離ですからね。みなさん酔ってこられると話しが熱くなって、本当に15センチとかの距離でお話ししてくれますからね。女性なら大歓迎ですけどね。
Q.
あまりに近いしバッグヤードもないと逃げるところもないですよね。ずっと見られ続けてるということですからね。
A.
いや、見られるということはとても良いことです。バーテンダーとして。パフォーマンスをしているわけですからね。このカウンターのなかで。ただ酒を作るだけなら居酒屋の大学生でもよいわけだから。ただ私はバーテンダーですから、いつも身なりに気を付けていつお客様が見ていてもよいように、少しはかっこつけなければならない。作るものも美味しいもので、見た目が良いものを作る。そこにお酒のうんちくを載せないといけないんですよ。なんで毎日自分に何かを課して、毎日それを達成していくということをやる続けています。
Q.
鼻をほじりたいときはどうするんですか?
A.
ほじることはないけど、鼻水が止まらないときはみんながびっくりするくらい大きな声で失礼します!、といって元気よくかんじゃう。
Q.
例えば ものすごいお金が降ってきて一人でお店が出来るとしたらお店をやりますか?
A.
やらない。だってデザインの仕事がやりたいから。
Q.
やっぱりデザイナーって魅力的ですか?
A.
いや、というよりいろんなオーナーさんをみてきて経営っていかに難しいか、大変なのかがわかってるからですね。
Q.
なるほど。でもお金が腐るほど降ってきたらですよ。
A.
そしたらこの店をオーナーに売ってもらう。うまくいかなくて赤字続きでも。だってこの店が大好きだから。
Q。
でもお住まいは新宿ですよね。それでも銀座ですか?そこまで銀座一筋には何か理由があるんですか?
A.
女子高生がいないから(笑) 銀座がやっぱり許さないでしょ。大人の街。だからこの街にいる人はそれぞれ自分が遊んでいる街にプライドを持ってる。そんな人達のなかで仕事がしたいんだよね。
Q.
じゃあ~ちょっと条件が悪くても銀座なんですね。
A.
銀座と渋谷では、きっと起きる事件が違くて、きっと自分では対応できないと思う。予想外なことしか起こらなそう。
Q.
そうなんですよね、値段が高いとかそういう話ではないですよね。
A.
そうそう。安くてよい店もたくさんあるし。だけど、どこのお店のお客さんもみんな銀座の飲み方をしてるし、そうしなかったら銀座では飲み続けられないと思いますよ。
大庭 正志さん 1956年3月11日生まれ
東京都江東区出身 Walk In Bar MOD