突然ですが、皆さんは「宇宙コロニー」と聞いて、どんな画をイメージしますか? 映画やアニメに出てきそうな、こんなやつを想像しませんか?
宇宙でも、地球と同じように人間が生活できるなんてスゴイ!! でも、これって作るのが、とても大変そうですよね……。
今、はるかに簡単に、スピーディに、宇宙で建物を造る技術が研究されています。その礎になる実験が、日大理工船橋キャンパスで行われています。 しかも、2014年5月に種子島から打ち上げられたロケットに相乗りし、すでに小型人工衛星が宇宙ではたらいているのです!
日本大学理工学部航空宇宙工学科・助教の山﨑政彦博士に、お話を聞いてきました。
山﨑博士と航空宇宙工学科の学生さんが取り組んでいるのが「SPROUT」プロジェクト。およそ20cm四方、7.1kgの小型人工衛星が、今この瞬間も宇宙から信号を送っています。
SPROUTのミッションは、キッチンのラップと同じくらいの薄い「膜」を、宇宙で広げること。
日大理工船橋キャンパスの実験室にて。同じ膜が宇宙で展開されているそう
このような膜を屋根や壁にして、宇宙に構造物(宇宙ホテルなど!)をつくろうという計画は、現実に考えられているそうです。重力がないので、地上では当たり前の硬くて重い壁や柱は、宇宙なら必要ありません。
もちろん、それだけで宇宙コロニーができるわけではありませんが、膜を小さくたたんでロケットに積み、宇宙で広げて建築資材にできれば、時間も、資源も、労力も、お金も、格段に低いコストで済みます。
膜を広げるだけなら簡単なようでも、空気も重力もない宇宙では、何かと計算と違うことも起こるため、SPROUTの実験が役に立つわけです。
人工衛星は日大の学生さんたちによる手作りで、ほとんどはアキバなんかで買える市販の部品でできています。開発予算も国のプロジェクトに比べると格段に低く抑えられています(金額は非公開)。
宇宙建設に役立つプロジェクトなのに、とても庶民的な人工衛星なのです。
日大船橋キャンパスの実験室。こんなところで手作りされています。グリーンの基板はSPROUTと同じもの
現在、SPROUTは地球周回軌道上をぐるぐる回っています。
1日6回は船橋の上空を通過するので、貴重なタイミングを逃すまいと、山﨑博士たちは宇宙からの信号に耳を澄ませます。
通信にアマチュア無線を使用しているので、交信も簡単ではないのです。
こちらは信号を解析して画像化した宇宙からの写真。不鮮明な画像が、リアリティを感じさせます。
さて、日大理工学部は、2015年11月1日(日)10:00~15:00にオープンキャンパスを予定しています。SPROUT関連の施設も一部公開されるとか。?
?予約不要で、受験の予定がない一般の方が行っても、まったく問題ありません!!
詳しくは、日大理工学部の「船橋キャンパスウォッチング」をご確認下さい。