5千円札ってかなり使用頻度の高いお札ですが、なんだか存在感が薄い感じもしますよね。そんな5千円札ですので、肖像画に描かれている人物が誰なのか、パッと思い出せる人は少ないのではないでしょうか。
今回は5千円札の肖像画となった歴代の人物について、さらに5千円札の特徴などについて解説していきます。
目次
歴代の肖像画に選ばれた人物たち
5千円札が初めて発行されたのは1957年の10月1日で、この記念すべき初めての5千円札の肖像画に選ばれた人物は聖徳太子でした。実在したか不明な人物ではありますが、お札の定番だった人物ですよね。
次の5千円札が発行されたのは1984年11月1日です。このお札から肖像画に文化人が採用されるようになり、選ばれたのは教育者、思想家、農業経済学者である新渡戸稲造でした。まだ記憶に新しいお札ですよね。
そして2004年の11月1日に発行されたのが現在の5千円札です。肖像画はお馴染み、樋口一葉です。
人物の選考はどのように行われるのか?
お札の肖像画に選ばれる人物はどのように決定されているのか、ご存知でしょうか。じつは選考基準にこれといった条件やルールなどはありません。
まずは日銀と財務省、国立印刷局による協議が行われ、最後は日本銀行法に則り財務大臣が決定します。
歴代人物が選ばれた理由
聖徳太子は17条憲法の制定や仏教の保護、遣隋使派遣などの功績が大きいですし、知名度も抜群なので採用されたとされています。
新渡戸稲造は知名度はそこまで高くありませんが、国連の輝く星とまで称賛され国連事務次長まで務めた人物です。その功績が認められました。
現在のお札の肖像画である樋口一葉ですが、じつは2代目のときも候補に挙がっていました。大蔵省が清新さをアピールするために紫式部や清少納言、与謝野晶子など女性の候補を多く挙げており、その中でも有力候補だったのです。
しかし紫式部と清少納言は写真が存在しませんし、与謝野晶子は反戦歌を作ったこと、現職の国会議員に孫である与謝野馨がいたことで見送られました。
樋口一葉も短命であったこと、顔立ちが複製防止などを考慮すると印刷の問題で適していなかったことなどが理由で見送られたのです。その後印刷技術の向上したことなどで再度候補として上がり、採用されました。
5千円札の紙質や特徴
5千円札に使用されている紙は、かなり特殊な紙です。木ではなく、ミツマタという草が主な原料となっています。製造方法や原材料の詳細は国家秘密です。
5千円札にはいくつかの特徴があり、千円札より大きく、1万円札より小さいこと、ホログラムが丸いことなどがあげられます。
いまいち存在感の薄い5千円札ですが、人物選考の経緯なんかを知ると非常に興味深い話が出てくるものですね。
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