お盆も過ぎて「暑さもピークを過ぎたかな」と感じている県田勢です。
8月27日に浅草で開催されるサンバカーニバル。約50万人もの観客を集め、暑いさなかに浅草一帯が更なる熱気に包まれる。そんな浅草サンバカーニバルについて、ひと通り紹介しよう。
目次
サンバをなぜ浅草で?
浅草サンバカーニバルが始まったのは1981年。芸人である伴淳三郎さんが発案して、内山榮一台東区長(当時、2010年に死去)にアドバイスしたとの説がある。内山氏が区長を務めたのは1975年から1991年、伴さんが亡くなったのは1981年10月26日のため、伴さんの晩年(シャレではありません)にアドバイスした可能性はある。
一方、浅草の商店街や観光連盟関係者が、既にサンバパレードを行っていた神戸まつりを参考にしたとの説もある。
第1回神戸まつりが開催されたのは1971年で、その時からサンバパレードが行われていた。神戸まつりの前身である「みなとの祭」での国際大行進や、「神戸カーニバル」におけるパレードでも仮装した人々が行列する写真がある。この辺りからサンバ(のような)パレードが行われていた可能性も十分ありそうだ。
どちらが正しいかは不明だが、そうしたことが下地となって「浅草サンバカーニバル」が始まったのだろう。
当初は‘サンバカーニバル’とは違った様相があったものの、徐々に本格的なものへと変わり、今では北半球で最大級のサンバカーニバルとも言われている。
現在では、青森県十和田市、千葉県松戸市、静岡県浜松市などでもサンバカーニバルが、名前こそ少し違うものの、草加よさこいサンバフェスティバル(埼玉県)、三茶ラテンフェスティバル(東京都世田谷区)などが開催されている。
どこで踊るの?
パレードは、馬車道通りの浅草寺東側(産業貿易センター台東館あたり)からスタート。松屋浅草を過ぎたところで右折し、雷門通りを直進していく。ゴールは、国際通りの少し手前(ホテルユニゾ浅草の近く)だ。
距離にしておよそ800メートル。普通に歩けば15分から20分ながら、踊りながら進むため、それよりはるかに時間がかかるのは言うまでもない。
もちろんパレードの区域は交通規制が行われているが、馬車道通りの北側部分も踊る人達のスタンバイエリアとなっている関係で、交通規制となっているので注意が必要。
誰が何人踊るの?
出場者は、近隣地域の小学生らによるコミュニケーションリーグ、企業などによるテーマ・サンバリーグ、比較的少人数(30~150人)のS2リーグ、大勢(150~300人)のS1リーグがある。
パレードの順番はこの通りで、審査対象となるS1、S2リーグは、前年順位が下位のチームからスタートとなる。ただし初出場チームなどが複数参加する場合は、抽選で順番を決める。
今年はS1が9チーム、S2が8チーム出場する。公式サイトのチーム紹介を見ると、関東近隣のチームがほとんどだが、神戸、大阪、名古屋・東京・鹿児島を拠点とするチームも参加している。
S1のチームを平均250人、S2を80人として、ざっくり総人数を計算すると約2800人。そこにコミュニケーションリーグとテーマ・サンバリーグを合わせると、その1.5倍くらい(約4000人)にはなりそうだ。
パレードの時間は?
以前は夜に行われることがあったものの、現在は午後から夕方に固定されており、今年は午後1時から6時まで。
先に書いたように、パレードの順番が決まっているため、お目当てのチームを見物する場合には、それに合わせることも肝心。
また「スタンバイエリア付近でも見られるのでは?」と考える人がいるかもしれないが、スタンバイエリア近辺での見物や撮影は、進行の妨げになることから禁止されている。よく覚えておこう。
審査って何をするの?
S1、S2に対しては、審査要領に沿った審査が行われ、優勝や特別賞、S1のS2入れ替えなどがある。
特にS2の下位2チームが次回参加する際には、新たに選考を受ける必要がある。こうしたことにより、本格的なサンバカーニバルに近づく努力がなされていると考えられる。
2015年(第34回)の審査結果は、この通り。
参加人数や構成に違いがあるだろうが、S2リーグでトップだったG.R.C.E.S. VERMELHO E BRANCO(G.R.C.E.S.ヴェルメーリョ・イ・ブランコ)は、S1でも6位に食いこむ得点結果を出している。
実は賞金もあるよ
リオのサンバカーニバルでは、優勝チームに1000万レアル(約5億円)の賞金が贈られる。
ちょっと桁は違うけれども、浅草サンバカーニバルでも、優勝チームには200万円の賞金が贈られる。もちろん衣裳や山車(アレゴリア)には、それ以上のお金がかかっていると考えられるが、頂けるなら頂いた方が良いだろう。
見学のコツは?
パレード沿いに場所取りができるのは、パレード開始となる午後1時前後から。ただしそれ以前に見たい場所の近くに待機して、時間とともにサッと座るのが重要。特に人気のある場所(雷門の近く)などは、早めの午前10時頃から待機した方が良いとの声がある。こんな感じでメディア各社もいますしね。
暑い盛りのため、日当たりに注意したい。馬車道通りの東側(浅草寺の反対側)や雷門通りの北側(浅草寺の側)は、必然的に直射日光が当たる。
日に焼けたくない人、暑いのが苦手な人(そもそも外で見学しない方が良いかもしれないが)は、雷門通りの南側や、馬車道通りの西側がお勧め。近くの高い建物なども計算に入れておこう。
道沿いの飲食店で見物するのであれば、2階以上が必須。ただし当日になって、そう簡単に利用はできない。むしろ涼しくて見やすいために、道路沿いよりも回転が悪いと考えた方が良い。
同じ意味で、雷門前にある浅草文化観光センターも絶好の見物スポットだが、その分混雑するのは想像に難くない。
完全に腰を落ち着けてしまうと、かえって窮屈な思いをすることもある。ぶらぶらと歩きながら、人が移動するタイミングを見計らって短時間で見物するのが気軽で良さそうだ。
浅草サンバカーニバル公式サイト
http://www.asakusa-samba.org/index.html