こんにちは。旅を愛するオコシです。
読者の皆さんは、もう初詣に出かけられましたか?
ぼくは、取材も兼ねて、新年に亀戸天神社へお参りしてきました。
ここでは、初詣の賑わいから息つく間もなく、1月下旬に一風変わったビッグイベントが行われます。
今回ご紹介する「鷽替え神事」(以下:うそ替え神事)です。
目次
3万人が訪れるビッグイベント「うそ替え神事」とは??
「鷽(うそ)」とは「うそを付く」の「うそ」ではありません。うそ鳥は、実在する美しい小鳥。広辞苑によれば、日本では主に本州中部以北で繁殖し、冬になると暖かい地方へ渡るそうです。
幸運を招く鳥とされており、江戸時代から、庶民の間では、木彫りのうそが幸運のアイテムでした。木彫りのうそを交換したり、新しくすることで、起こってしまった悪いことが「うそ」になり、新年を幸せに過ごせると言われていました。
昔の人は、気の利いたシャレで遊んでいたのですね。
亀戸天神のうそ替え神事は、江戸時代の文政3年(1820)に始まったそうです。現在、神事の日に新しい木彫りのうそを買い求めることができます。
「今までの悪いことを“うそ”にして、吉事に取り(鳥)替えよう」(今迄のあしきもうそとなり吉にとりかえん)というお守り。1月24・25日に現地へ行かなければ手に入らない貴重な品です。予約も、取り置きも、郵送サービスもありません。
亀戸天神のうそ替え神事には、2日間で3万人以上の参拝客が訪れます。木彫りのうそも、約3万体が用意されているそうです。いまごろ、きっと神職がヒノキを彫って、一体ずつ手作りしています。
朝8時30分から配り始めて、夕方までに当日分が完売してしまうこともあります。全部で11のサイズがあり、値段は小さなもので500円、高さ21cmの最大サイズは7000円。大きいものから売れていくことが多いそうです。
うそ替え神事の由来。天神様との深い関わりがあるんです
では、なぜ天神様で行われるのか?
「鷽」と「學(がく。学の旧字体)」の字が似ているので、学問の神様である天神様と縁があるとか。また、天神様(菅原道真公)が眠る太宰府天満宮のお祭りの際、人々が大量の害虫で困っていたところ、鷽が駆除してくれたとの言い伝えも。
なお、東京では文京区の湯島天神でも、1月25日にうそ替え神事が行われます。亀戸天神社と同じように、木彫りのうそを授与してもらえます(大700円、小500円)。
初天神祭の里神楽! 屋台も出て大盛況?
25日は天神様がお生まれになり、亡くなった日でもあります。1月25日は「初天神祭」の祭事もあり、境内の神楽殿で里神楽、葛西囃子(東京都無形文化財)が奉納されます。
境内には屋台スペースも。うそ替え神事&初天神祭の日には、大変な賑わいが予想されます。
お守りにも「うそ」
亀戸天神では、お守りなどうそ鳥にちなんだ授与品を購入できます。
600~700円と値段は手頃。かわいらしいですね。
「鷽ストラップ」700円を購入しました。小さなうそ鳥がかわいらしいですね。
花の天神様
亀戸天神で有名なのが「梅」と「藤」の花です。季節になると、鮮やかな花が、池や朱色の太鼓橋が美しい境内を彩ります。
梅の見頃は2月中旬~。しかし、暖冬の影響でしょうか、1月13日に伺った際は、すでにかわいい梅の花が開いていました。
うそ替え神事の日には、もう少し花開いていることでしょう。
藤の最盛期は4月下旬~5月上旬。15の藤棚に100株が咲き誇ります。
スケジュール、アクセスなど
亀戸天神のうそ替え神事は下記の通り開催されます。
日程
平成28年1月24日(日)・25日(月)
時間
両日とも午前8時30分より
場所・住所
木彫りのうその値段
500円~7000円
参拝前後の散策は東京スカイツリーへ!
亀戸天神社へ行くには、上記のように亀戸駅か錦糸町駅が便利。
けれど、ぼくは行き帰りどちらかだけでも、押上駅の利用をおすすめします。徒歩20分程度ですから、さほど時間は変わりません。
スカイツリーのお膝元から、墨田、江東の下町を散策し、天神様へお参りするルートです(または、その反対)。
東京スカイツリータウン直結の押上駅。小さな旅のスタートです。
ユニークな小さなお店が並ぶソラマチ商店街。
東京スカイツリーを間近から。634mを見上げると首が痛くなります。
下町の渋い小道を歩いていきます。
西十間橋から「逆さスカイツリー」。一時は名物スポットになりましたが、いまなら空いていて、写真も取り放題!
東京スカイツリーがあるのは墨田区。亀戸天神社のある江東区までは徒歩10分です。
通称「萩寺」と呼ばれる龍眼寺。ちょっとした庭園もあって、情緒のあるお寺です。
七福神のひとり布袋尊がまつられているお堂。中をのぞくと、立派な布袋様の木像が見えます。
ちなみに、亀戸は七福神めぐりでも遊べます。7人の神様、それぞれをまつったお寺や神社にお参りすると、7つの災いが去り、7つの福が訪れるとか。
布袋尊(清簾度量)……龍眼寺 / 亀戸3-34-2
寿老人(延命長寿)……常光寺 / 亀戸4-48-3
弁財天(芸道富裕)……東覚寺 / 亀戸4-24-1
恵比寿神(愛敬富財)…香取神社 / 亀戸3-57-22
大黒神(有富蓄財)……香取神社 / 亀戸3-57-22
毘沙門天(勇気授福)…普門院 / 亀戸3-43-3
福禄寿(人望福徳)……天祖神社 / 亀戸3-38-35
また、亀戸に行ったらぜひ寄りたいのが、天神様から歩いて5分の船橋屋さん。
文化2年(1805年)創業という、くず餅の名店。お店の方がみな美人さんで、感じもよく、混雑覚悟で体験するのも一興です。
まさに王道のくず餅(540円)。黒蜜が甘すぎず、のどごしがよいので、何個でもいけそうです。
亀戸天神の境内から。さきほど通ってきた東京スカイツリーを望みます。