東京の都心は交通が便利なように見えて、ちょっと移動するのが意外に不便なことがあります。
・直線距離では近いのに、電車の乗り継ぎで時間を取られる
・東京メトロからJRに乗り換えると2駅でも初乗り2回分
考えてみれば残念な話です。
そんな不便を解消する可能性があるのが「自転車シェアリング」です。旅を愛するオコシが港区のサービスを使ってみると、超絶便利でお得なことを実感しました。しかも、都心を自転車で散歩すると、とっても楽しい!
2016年、ふだんの移動手段としてはもちろん、東京観光の新しいスタンダードになりそうです。
目次
レンタサイクルとの違い、メリットは乗り捨てできること
自転車シェアリングは、その名の通り自転車を複数のユーザーで共有する仕組み。「コミュニティサイクル」なんて呼ばれることもあります。
時間で自転車が借りられるのはレンタサイクルと同じ。もっとも異なる点は、複数のポイントで借りたり、返したりできることです。
港区の自転車シェアリングの場合、自転車を借りられる「ポート」が27カ所もあります。六本木から青山まで自転車で移動しポートに乗り捨て→電車に乗り換えて渋谷へ、なんて使い方もアリなのです。
東京・港区の自転車シェアリングを使ってみた
東京港区の虎ノ門で、自転車を借りて、六本木まで都会の街を散歩してみました。?
気になる料金は30分108円~、支払い方法クレジットカード決済
個人向けのプランは以下の3つ。使い方に応じて、利用スタイルを選べるようになっています
●1回会員
基本料0円、30分108円
頻繁には使わず、エリア内をちょっと移動したいときに便利。今回、オコシはこのプランを利用しました。
●月額会員
基本料1080円/月、最初の30分は0円、延長は108円/30分
通勤や通学、買い物などでたびたびチョイ乗りする人に便利です。
●1日パス
基本料1620円/日+専用ICカード発行手数料540円
1日使い放題のプランです。有人窓口でパスを購入します。
30分単位で借りられるのが、大きな特徴です。都内には「COGICOGI」という民間の自転車シェアリングサービスがありますが、こちらは1日会員で1500円(24時間何度でも借用・返却できるが、1度に1時間以上使うと延長料金)です。
また、乗り捨てできないレンタサイクルのサービスもありますが、都心の相場が1日1000~2000円といったところ。
色々比べてみても、お得感があり、利用しやすいサービスではないでしょうか?
使い方(借り方、返し方)はとても簡単。パスワードかICカードで解錠・施錠
ちょっとしたサイクリングに便利なのが1回会員です。まずは、スマホから(パソコンでもOK)http://docomo-cycle.jp/minato/にアクセスして会員登録します。
氏名やメールアドレス、クレジットカード情報を入力します。ちょっと面倒ですが、よくあるWebサービスの登録方法と変わらないので、詳しくは割愛します。
解錠用のパスワードが発行されます。登録したメールアドレスにも送られてきています。
操作パネルには「Felica」と書いてあるICカード用のスペースがあります。よく使う人はWebサイトの「マイページ」から登録情報を変更すると、SuicaやPASMOなどをかざすだけで、利用できるようになるそうです。
保険も付いているぞ!
ちなみに、利用者には自動で自転車用の損害保険も付いています。詳しくは、港区自転車シェアリングのWebサイトで紹介されています。
盗難や駐輪違反で撤去された際など、実費を請求される可能性があるので注意しましょう。
電動アシスト自転車で快適に都会をさんぽ
外堀通り沿い、虎ノ門1丁目の駐輪場で自転車をお借りしました。
虎ノ門の交差点から六本木ヒルズまで、寄り道しなければ自転車で10分くらいです。
地下鉄を使うと、虎ノ門駅から六本木駅までが15分ちょっと。待ち時間や駅からの徒歩もあるので、20分はかかるでしょう。
時間的にも自転車のほうが早いんですね。
ただ、ちょっとバッテリーの減りが早いような……。短時間の利用を想定しているためかもしれません。
2016年、東京の自転車シェアリングが拡大
仕掛け人はドコモ。導入自治体は江東区、中央区、千代田区など
この便利な自転車シェアリングの仕組み、運営しているのは「ドコモ・バイクシェア」というNTTドコモ系列の会社です。自転車の貸し借りや料金の精算など、オンラインで管理しているので、通信会社のノウハウが欠かせないのでしょう。
ドコモ・バイクシェアの自転車シェアリングは、東京都内では江東区、中央区、千代田区でも運用されています。東京以外でも、横浜、仙台、広島、神戸などで活用されています。
2016年2月1日から実証実験でエリア拡大
2016年2月1日(月)~4月30日(土)に実証実験として、千代田区、中央区、港区、江東区の自転車シェアリングが統合されます。4区のエリア内116ポートで、自転車を借りたり、返せるようになるのです。
状況により実施期間を延長そうなので、ぜひ長く続けて欲しいものです。
料金は、1回会員が150円/30分、月額会員が2000円/月となります。
実際に使ってみて
まずは、貸し借りの簡単さ。手続きは基本的にWeb上で行いますが、スマホでオンラインショッピングができる人なら、迷うことなく利用できると思います。
欲を言えば、ブラウザを開くのではなく、アプリがあれば便利ですが、それも早晩提供されるのではないでしょうか。
自転車はコンパクトで乗り心地も快適でした。ただ、バッテリーの減りが早いと感じたので、長時間利用するときは注意が必要。電動アシスト付きだけに、重量が重く、自力だけでこぐのはつらそうです。
30分108円(実証実験では162円)の料金は、妥当だと感じました。東京メトロの初乗り運賃は170円、山手線は140円。東京をあちこち回りたいなら、自転車シェアリングのほうがお得です。
実際に使ってみて、「これは流行る!」というのが正直な所感です。台湾の首都・台北では自転車シェアリングが急拡大したといいます(「台湾で爆発的に広がる、自転車シェアリング」東洋経済オンライン)。
小回りのきく自転車なら、車やバスで見過ごしていたおもしろスポットを見つけられます。自転車シェアリングで、都心の自転車さんぽがブームになる日は近い!