【ポケモンGOで史跡巡りコース】第二章・田中城(静岡県藤枝市)

『ポケモンGOで史跡巡り』第二章は、静岡県藤枝市の田中城です。

「どこそこ?」という声が多いかもしれませんが、コテコテの戦国ファンなら必ず知っている城でもあります。徳川家康がその死因となった天ぷらを食べた場所、と言えば大体の人は多分納得してくれるはず。ええ、多分。

静岡市在住の澤田にとって、藤枝市は目と鼻の先とも言うべきところです。近所に史跡がある、というのはライターとしても非常に有利な要素だと思います。澤田は最近思うのですが、インターネットが発達した時代のライターは都心よりも地方に住んだほうがいろいろとやりやすいのではないでしょうか。

それはさておき、今回もポケモンを探しながら史跡を巡っていきましょう。

同心円状の道路

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西焼津駅からタクシーで10分弱。今回は田中城下屋敷からスタートです。

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事前の予想通り、この下屋敷はジムに指定されています。ここには田中城の本丸櫓が移築されていて、中にお邪魔することもできます。

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その上、この敷地は風情ある庭園として整備されています。静岡市と浜松市の間にある都市は、まあ、はっきり言っちまえば田舎なんですが、その分興味深い史跡が点在している土地でもあります。

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さて、ここでポケモンGOのマップをもう一度見てみましょう。

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向こう側の道路が同心円を描いていることに気がつきます。実はこれ、田中城がここにあったことのなごりです。普通、城の堀というのは四角形なのですが、田中城は全国的にも珍しい同心円状3重堀の城。Google Earthで見ても、それがよく分かります。

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ポケストップの数は、駿府城や掛川城に比べたらだいぶ少ないようです。ですがやはり、田中城に由来する史跡がポケストップになっていました。

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朽ちていく史跡碑

同心円の中心、すなわち本丸のあった場所は、今では小学校になっています。

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この一帯は住宅街で、とても昔ここに城があったとは思えないほどです。堀の跡やその案内書きを見て、ようやくここが「お城だったんだな」と分かる程度。

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また、史跡碑の状態も決していいとは言えません。たとえば上記の馬場・馬見所跡の史跡碑ですが、実際にはこのようになっています。

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どう見ても倒れる寸前です。これはどうにかしないといけないはずですが、現実問題世間一般の注目度が低い史跡はこうして朽ちてしまいます。

ですが、ポケモンGOがそんな状況を変えてしまっています。

この先、位置情報を活用したゲームは他にも開発されるはずです。そういう意味でもポケモンGOが果たしている役割は非常に大きく、可能性は無限に存在します。すると「朽ち果てた史跡」が一躍巷の大注目を浴びるという機会も発生するはずで、だからこそ史跡碑の修繕が不可欠になってきます。

誤解のないように付け加えますが、澤田は「ゲームをするために史跡を修復しろ」と言っているわけではありません。「ゲームが史跡再発見のきっかけになっている」という事実を指摘しているに過ぎません。現に滋賀県守山市では、ポケモンGOを活用した史跡散策イベントが行われています。

もう一度書きますが、今後位置情報ゲームが続々リリースされることは間違いありません。それがきっかけで地元の歴史遺産に注目が集まれば、これ以上素晴らしいことはないと澤田は考えています。

「その形」には理由がある

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また、マップを見ることで「なぜこの街の道路はこんな形をしているのだろう」ということを考えることができます。

田中城がまさにそうですし、そもそも城下町というものは執政者の思惑で設計されています。「なぜここにこんな道路があるのか」ということも、ちゃんと理由があるわけです。

話はちょっと飛躍しますが、だからこそ『笑っていいとも!』は終了して正解だったと思います。タモリという、常人の何倍もの観察センスを持っている人物が番組に縛られず全国を巡ることが可能になり、あちこちの史跡を解読してくれるようになりました。そう、NHKの『ブラタモリ』です。

タモリさんは高低差マニアとして有名です。常に正論しか言いたがらない凡百の「常識人」にとってはどうでもいいような趣味かもしれませんが、「高低差を意識する」というのは史跡ウォッチャー必修のスキル。こうした人物が、今まで全国各地を旅できなかったことがむしろ驚きです。

街の隅々には、必ず歴史が眠っています。それを呼び起こす作業が、今やスマホアプリで誰にでもできるようになっているのです。