【現地取材】伊勢志摩サミット最新報告 首脳たちを悩ます問題とは

【現地取材】伊勢志摩サミット最新報告 首脳たちを悩ます問題とは

さて、国際メディアセンターから澤田がお伝えします。

いや、まさかここがこんなに居心地いいとは思っていませんでした。

というのも、このメディアセンターにいる限りは飲食が無料です。カップラーメンもコーラもポッキーもソイジョイも、そして食堂でのディナーも一切タダ。現金を多めに持ってきたことを後悔しちゃったくらいです。

何しろ、ここは24時間営業。ホテルには泊まらず、共同ワーキングスペースで寝ずの番をしている記者もたくさんいます。その人たちのために、日本政府は食事を無償提供しているわけです。

フリーライターという職業を選んで、本当に良かったと思います。

目次

ハッキングは「武力攻撃」

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もちろん、澤田はただ単に飲み食いをするためにここへ来たわけではありません。サミットは着々と進んでいます。

現時点で執り行われた会談の中で最も注目すべきは、サイバー攻撃に関する討議。悪意あるハッカーが重要施設のシステムに侵入した場合、それは「武力攻撃」になるというものです。

現代戦争は、必ずしも人の血が流れるというものではありません。むしろサイバー攻撃のような「死人の出ないテロ」は、現代社会の脅威となっています。

「21世紀型のテロリズム」とどう向き合うか。これもまた、G7首脳を悩ませる非常に大きな問題です。

課税逃れを防ぐには?

また、ここ最近の国際ニュースを賑わせている「パナマ文書」の問題も、サミットでどのように扱われるのかが注目されています。

「タックス・ヘイブン」という言葉、よく聞くようになりました。パナマという国の国税徴収方法は「地域主義」というもので、パナマ国内で獲得した利益にのみ課税されます。逆に言えば、国外での利益はまったくの無税。当然、パナマには全世界の企業からの投資が集まります。

ですがこれは、自国で課せられる税を逃れるための行為です。アイスランドのグンロイグソン前首相は、巨額資産をパナマに隠していたことが発覚し辞任に追い込まれました。しかもBBCの取材にそれを指摘され、苦し紛れの逆ギレが致命傷となった情けないオチもついています。

世界経済が不安定化している今、超富裕層だけが課税を免れているという不公平な事態が発生しています。その早急の是正も、G7各国に課せられた「宿題」です。

サミットは「お祭り」

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ところで日本開催のG7サミットは、その開催自体に反対する者がほとんど発生しないという特徴があります。

日本の場合は、昔ながらの過激派共産主義団体が細々とサミット反対デモをやるのみで、その総数はせいぜい30人といったところ。ですが日本以外の国、特にヨーロッパ域内でのサミット開催になると、それなりに人数が集まったりもします。

これは、日本人がサミットを「お祭り」と捉えている証拠ではないでしょうか。

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メディアセンターには地元三重県の物産や最先端技術の紹介ブースが設けられ、多くの外国人記者から注目を浴びています。今回のサミットは地元にとって、まさに千載一遇のチャンス。地域の特産品の知名度を上げるまたとない機会です。

そういう意味での「お祭り」ならば、やはり誰にとっても喜ばしいものではないでしょうか。

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