新発売!秋限定のビール・発泡酒を飲み比べてみた2016版

酒税の改正で発泡酒の類いが無くなるのかを危惧する県田勢です。おいしいのにねぇ。
さて秋限定チューハイだけでなく、秋限定ビールもメーカー各社が発売中だ。そこで今回は秋限定ビールを飲み比べてみた。

新ジャンル部門

まず新ジャンルは次の4つ(発売日順)。

サントリー「サントリー 秋の“旬味”」(8月16日)
アサヒ「クリアアサヒ 秋の琥珀」(8月17日)
サッポロ「サッポロ 麦とホップ 秋の薫り麦」(8月17日)
キリン「キリン 夜のどごし」(9月6日)

他と比較して「キリン 夜のどごし」の発売日が遅れているが、キリンは後述するビール「秋味」を同時期(8月23日)に発売している。この辺りは何か戦略があるのかもしれない。
%e7%a7%8b%e3%83%93%e3%83%bc%e3%83%ab2飲んでみたところ、一番印象が強かったのは「サッポロ 麦とホップ 秋の薫り麦」だ。

焙煎した麦芽を一部に使ったことで、ビールの色は黒に近いこげ茶に、香りや味も濃さが増している。
見た目や香りで抵抗を感じる人がいるかもしれないが、実際に飲んでみると飲みやすい上に味わいも深い。デザインに「香ばしい香りと豊かなコクを実現しました」とあるのが、まさにそのまま感じられる。

あえてネックをあげるとすれば缶のデザインか。
同社サイトによると「秋の夜長を思わせる深い紫を基調とし、紅葉のイラストをあしらうことで秋の限定感を演出」とある。

キリン「秋味 堪能」と「夜のどごし」のデザインでも紫を使っているが、イメージとしてビールに合わないように思う。まして「秋の夜長を思わせる」は「何で?」と。
紫で思いつくのは高級感だ。また他メーカーが使わない色をあえて使うことで目立つ意図があるかもしれない。それでもパッと見て「何だかなぁ」の思いは、ぬぐいきれなかった。
%e7%a7%8b%e3%83%93%e3%83%bc%e3%83%ab6その「キリン 夜のどごし」もおいしかった。デザインで目立つのは「麦100%」の文字。

「麦100%で行くなら、普通にビールにすれば良いのに」と思うものの、まだ酒税は改正していないので、価格を抑えようとすれば新ジャンルになるのだろう。

同社の定番ビールである「のどごし<生>」から派生した新ジャンルとのことながら、ビールに負けないくらいのパワーを感じた。コクの強さは、「サッポロ 麦とホップ 秋の薫り麦」に負けず劣らずで、いろんな秋の味覚をつまみにしてもピッタリくるはず。

デザインに関しては、先に書いた通り。同社サイトによると、「『楽しくにぎやかな夜』を伝える紫とオレンジの色彩で、灯りでにぎわう街の夜をイメージ」とある。

サッポロの説明でも‘秋の夜長’とあるので、どうやら両社とも‘夜’を紫でイメージさせたいらしい。よく見ると、どちらも缶の上部が明るめの紫で、下部が濃い目の紫になっている。「工夫したんだなぁ」と思うものの、やはりビールには「どうかなぁ」と思ってしまう。
%e7%a7%8b%e3%83%93%e3%83%bc%e3%83%ab3 %e7%a7%8b%e3%83%93%e3%83%bc%e3%83%ab1「サントリー 秋の“旬味”」と「クリアアサヒ 秋の琥珀」も十分においしかった。

ただ「サッポロ 麦とホップ 秋の薫り麦」と「キリン 夜のどごし」に比べると、ちょっと軽めの感じだった。しかしそれはそれで軽く楽しみたいと考える人には、もってこいの1本となるに違いない。

ビール部門

ビールは3つのメーカーから4種類が発売中。

キリン「キリン 秋味」「秋味 堪能」(8月23日)
サントリー「ザ・プレミアム・モルツ〈秋〉香るエール」(8月30日)
サッポロ「琥珀ヱビス」(9月6日)

「アサヒは出してないの?」と思う人もいるだろう。夏季限定で「アサヒ オリオン夏いちばん」「アサヒ オリオンサザンスター 花火デザイン缶」を7月12日に発売した。

また新ジャンルの「アサヒ オリオンスタイル」「アサヒ オリオンスペシャルエックス」を8月9日に、その後は、IPAの「アサヒ オリオン琉球ペールエール」が9月27日発売予定となっている。
ニュースリリースなどを見ると、アサヒとしてはオリオンビールを押していくようだ。
%e7%a7%8b%e3%83%93%e3%83%bc%e3%83%ab4さて4種類の中で最も良かったのは「キリン 秋味」だ。
同時期に発売して20年以上にもなる定番商品だが、今年も味の良さは健在だった。何を買おうか迷っている人に「これ良いよ」と勧めておけば、概ね満足してもらえるはず。そこで気になるのが「秋味 堪能」の存在。
%e7%a7%8b%e3%83%93%e3%83%bc%e3%83%ab5両者の特徴は次の通り。

【秋味】
アルコール度数:6%
原材料:麦芽、ホップ、米、コーン・スターチ
内容量:350ミリリットル缶の他、500ミリリットル缶、中びん、大びん
出荷量:約77万ケース(大ビン換算)
その他:同社ラガービールと比較して麦芽1.3倍、全国8工場で製造

【秋味 堪能】
アルコール度数:7%
原材料:麦芽、ホップ
内容量:305ミリリットルビンのみ
出荷量:約6万ケース(大ビン換算)
その他:同社ラガービールと比較して麦芽1.5倍、滋賀工場のみで製造

どちらもオープン価格で、市販価格は「秋味」の350ミリリットル缶が200円前後、「秋味 堪能」が260円くらい。

同社サイトによると、「秋味 堪能」は、「初のエクステンション(拡張、派生の意味)商品」「“とっておきの夜に堪能したい、濃密でグラマラスな秋味”をコンセプト」とある。

実際に飲んでみたところ「これはちょっと…」の感じで、説明にある‘濃密でグラマラスな’部分は飲み手を選びそうだ。ただ缶ビール全盛の現在、ビンで差別化を図ってきたチャレンジャー精神は面白かった。
%e7%a7%8b%e3%83%93%e3%83%bc%e3%83%ab7サントリー「ザ・プレミアム・モルツ〈秋〉香るエール」は、同社の説明によると「フルーティな味わいに、数種類の濃色麦芽による芳ばしい香りを調和させ、秋らしいフルーティで芳醇な中味を実現」とある。

「ザ・プレミアム・モルツ 香るエール」から一貫して「フルーティな味わい」をアピールしており、苦味の少ないさわやかな飲み口は、こちらも生きている。
では秋らしさはと見ると、「数種類の濃色麦芽による芳ばしい香り」にあるようで、こちらも納得できるおいしさだった。元々、エールでは香ばしい香りを特徴としており、それが分かりやすく伝わってくる。
%e7%a7%8b%e3%83%93%e3%83%bc%e3%83%ab8最後に、サッポロ「琥珀ヱビス」だ。
デザインには「コク深く、まろやかに」とあり、同社の説明でも「クリスタル麦芽をさらに増量し、琥珀ヱビス史上、最高に深いコクを追求」とある。

確かにコクがあっておいしいことはおいしいのだけれども、どこか頑張りすぎて無理している気がした。「これなら普通のエビスでいいじゃん」って具合だ。ただし味の濃い目の食べ物と合わせるなら、ビールの味わいがしっかり残って良いかもしれない。おつまみ次第と言ったところか。

いろいろ書いてきたが、「これはダメだ」とまで思えるものは全くなかった。飲み手の好みや、どんな時に、どんなおつまみと合わせて飲むかにもよるので、興味のある人は、いろいろ飲み比べてみて欲しい。