雑誌の月表示にはヒミツがあった!漫画雑誌の表紙を並べて分かったこと

雑誌の月表示にはヒミツがあった!漫画雑誌の表紙を並べて分かったこと

日々購入する雑誌の処分に頭を抱える県田勢です。

ペーパーレスとか電子書籍とか言っていますが、本当に紙媒体が無くなるのは、生きている内には来ないだろうなぁと。

さて皆さんの中でも、雑誌の発行日や月表示が先行しているのに気付いている人は多いはず。なぜこんなことになったのでしょうか。

目次

輸送や流通の都合

原因はいろいろあるのですが、大きく分けると輸送や流通における売り手の都合と、内容を考慮した売り手と書い手の事情があります。

まず前者ですが、本や雑誌が印刷されてから、書店やコンビニなどに並ぶまでに若干の日数があります。

輸送技術の発達した現在でも遠隔地や離島に数日かかりますし、かつては地方に輸送するだけで1週間以上も要したことがありました。

そこで店頭に並ぶまで、いくらかの余裕を持たせる目的で、先行した日付や月表示が行われました。

情報の鮮度

後者は、食べ物を買う時に「なるべく新しいものが良いかな」と思うのと似たようなものです。

つまり買い手とすれば、情報誌やファッション誌を買う時に、できるだけ新しいものが欲しくなる。

そのため売り手(出版社)にすれは、少しでも新しいものに見せたいと考えて、先の日付に…との思惑が働きます。

もちろん食品で日付表示を先行させれば違法ですが、雑誌の場合は、先の理由もあって、厳密ではありません。

自主基準あり

それでは、どんどん先行しそうなものですが、日本雑誌協会により一定の基準が設けられています。

例えば、週刊誌では発売日から15日先までの月日、隔週刊誌や月2回刊誌では発売日から1か月先までとなっています。

月刊誌(各月刊誌など)は少々複雑です。基本的には、発売日から40日先までですが、発売日が16日以降の場合は2か月先までの月です。

つまり1月15日発売でえは2月号が限界ですが、1月16日発売の場合、3月号と表示することが可能(もちろん1月号や2月号でも構わない)です。

実際の表紙はどうなってる?

ここで実際の雑誌の表紙を見てみましょう。

多くの出版社から無数と言えるほどの雑誌が発行されていますが、その中でも種類が豊富で季節感のある表紙を持つものに、4コマ漫画誌があります。

そこで4コマ漫画誌の2016年1・2月号から、いくつかピックアップしてみました。
雑誌月表示1上段左から
まんがライフ1月号(竹書房)11月17日発売
まんがタイムスペシャル1月号(芳文社)11月21日発売
まんがライフMOMO1月号(竹書房)11月28日発売

下段左から
まんがホーム1月号(芳文社)12月2日発売
まんがくらぶ1月号(竹書房)12月4日発売
まんがライフオリジナル1月号(竹書房)12月11日発売

月表示を先行させているため、11月17日発売の「まんがライフ」は、なんと1月号!そして表紙はクリスマス!!

クリスマスの表紙は、12月4日発売の「まんがくらぶ1月号」まで続きます。

12月11日発売の「まんがライフオリジナル1月号」でようやく月表示と表紙(お正月)の違和感がなくなります。

雑誌月表示2上段左から
・まんがタイムファミリー2月号(芳文社)12月17日発売
・主任がゆくスペシャルVOL.94(ぶんか社、注:月表示なし)12月19日発売
・まんがライフMOMO2月号(竹書房)12月28日発売

下段左から
・まんがくらぶ2月号(竹書房)1月4日発売
・まんがタイムきらら2月号(芳文社)1月9日発売
・まんがライフオリジナル2月号(竹書房)1月11日発売

あいにく16日発売ではないのですが、17日発売の「まんがタイムファミリー」から2月号です。

そしてこの「まんがタイムファミリー2月号」では、(お正月の)お参りの表紙にもかかわらず「2月号」となるため、再びズレが生じています。

もっともいずれも年内発売ですし、「まんがタイムファミリー2月号」の発売日である12月17日は、世間的にはクリスマス一色に違いありません。

最後の「まんがライフオリジナル」には、表紙中央に‘チョコも…’とあるようにバレンタインとなるため、2月表示とのズレが解消されています。

3月号は冬?春?

3月号の表紙はこうなっています。

雑誌月表示3上段左から
・まんがライフ(竹書房)1月16日発売
・まんがタイムファミリー(芳文社)1月16日発売
・まんがタイムきららMAX(芳文社)1月19日発売

下段左から
・まんがタイムスペシャル(芳文社)1月22日発売
・4コマまんがパレット(一迅社)1月22日発売
・まんがタイムオリジナル(芳文社)1月27日発売

2月14日にバレンタインデーがあるだけに、それを表紙にすることが多いですね。

ただし体感的には冬、暦の上では春なので、少々ズレが感じられます。

「まんがタイムスペシャル」では、室内の薄着ですが、「4コマまんがパレット」「まんがタイムオリジナル」では、一転屋外の雪景色でモコモコの厚着。

雑誌月表示4上段左から
・まんがライフMOMO(竹書房)1月28日発売
・まんがタイムきららCARAT(芳文社)1月29日発売
・まんがホーム(芳文社)2月2日発売
・まんがくらぶ(竹書房)2月4日発売

下段左から
・まんがタウン(双葉社)2月5日発売
・まんがタイム(芳文社)2月6日発売
・まんがライフオリジナル(竹書房)2日10日発売
・まんがタイムジャンボ(芳文社)2月12日発売

「まんがタイム」の表紙で、おとぼけ課長が扮しているオリオン座は、ほぼ一年中見ることができますが、基本的には冬の星座です。

こうして見ると、芳文社「まんがタイム」(オリオン座)、「まんがタイムジャンボ」(温泉)では冬、竹書房の「まんがくらぶ」、「まんがライフオリジナル」(チューリップ)では、春っぽさを強調していそうです。

月表示にしても表紙にしても、いろいろ工夫しているんだなあと思わせられます。

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