東京の大祭2016、三社祭×神田祭×山王祭を比べてみた~見どころ、日程、歴史&由来など~

東京の大祭2016、三社祭×神田祭×山王祭を比べてみた~見どころ、日程、歴史&由来など~

ゴールデンウィークの連休が明けると、東京の町はさらなる盛り上がりを見せます。お祭りも大好きオコシです。

次の週末にはかの有名な、浅草の三社祭。6月には、溜池山王の日枝神社で山王祭が開催されます。

今年は行われない神田祭も含め、東京で行われる初夏の大祭を比べてみました。

「写真提供: (公財)東京観光財団」

目次

由来、歴史を比べてみよう!

三社祭:3人の神様だから「三社」

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東京台東区、浅草神社のお祭りで、お隣の浅草寺とも深い関わりがあります。

漁師の檜前浜成(ひのくまはまなり)・竹成(たけなり)兄弟が、今の隅田川で観音像を発見し、土師真中知(はじのなかまち)が泰安したという故事が、浅草寺の起源となっています。浅草神社はこの3人をまつった神社で、「三社」はここから来ています。

この逸話に基づいて、正和元年(1312)から船祭が始められたと言われています。江戸時代には「浅草祭」「観音祭」などと呼ばれ、浅草寺の縁日でもある5月18日と前日の17日に行われていましたが、現代では両日に近い金曜日の夜に神輿神霊入れを行います。

続く土曜日に町神輿、日曜日に浅草神社の宮神輿が練り歩きます。

神田祭:隔年で行われる「天下祭」

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神田明神は、天平2年(730)に今の大手町に創建され、元和2年(1616)に、現在の外神田に遷座されました。

江戸総鎮守の神田明神と神田祭は、江戸幕府の手厚い庇護を受けました。江戸城内に祭りの行列が入り、将軍が上覧したことなどから、山王祭とともに別名「天下祭」とも。さらに、江戸三大祭り、または日本三大祭りにも数えられます。

今では2年に1回、山王祭と交替で大規模な本祭が行われます。今年は後述する「神幸祭」のような大祭はありません。

山王祭:歴代将軍が見た大行列が今年も登場

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2016年1発目の記事「2016年【申年】の運気をアップする東京の初詣スポットや神社・パワースポットを紹介!」にも登場した日枝神社のお祭り。日枝神社は、徳川将軍家の産土神として篤く信仰されました。

山王祭は、6月上旬から中旬の祭事の総称で、毎年行われます。2代秀忠公をはじめ、歴代将軍が上覧した「神幸祭」は、神田祭と交替で隔年で行われます。

江戸時代には、祭礼に係わる費用を、幕府が支出したことから「御用祭」とも呼ばれたとか。神田祭、深川八幡祭りとともに「江戸三大祭り」に数えられます。

2016年の日程と場所をチェック

三社祭:浅草神社、浅草寺が中心

5月13日(金)~15日(日)。
浅草神社を中心に、浅草寺、仲見世を含む浅草中が舞台となります。

神田祭:御茶ノ水・神田明神で5月上~中旬に

2016年は開催されません。2017年は5月上旬~中旬に開催見込み。

御茶ノ水の神田明神を中心に、神輿・行列は秋葉原、人形町、日本橋、大手町など広範囲を練り歩きます。

山王祭:6月10日、皇居周辺が祭り一色

2016年6月7日(火)~17日(金)
6月10日の神幸祭では、溜池山王の日枝神社を中心に、坂下門、丸の内、有楽町、銀座、新橋などを巡行。

神輿の数を比べてみよう

三社祭

宮神輿3基
町神輿約100基

神田祭

鳳輦2基(鳳凰を飾りつけた輿。担がずに曳く神輿)、宮神輿1基
町神輿200基以上

山王祭

鳳輦2基、宮神輿1基
町神輿 不明

祭りの見どころを比べてみよう

三社祭:浅草っ子が燃える神輿の渡御

町内神輿連合渡御……14日の12時から行われます。「渡御」とは「お出まし」といった意味です。約100基の神輿が浅草寺を出発し、3つに分かれて浅草中を練り歩きます。威勢のよい浅草っ子に担がれた神輿の連なる様子は壮観!?

本社神輿各町渡御……15日の6時から宮神輿の宮出しがはじまり、8時頃に浅草寺を出発。一之宮、二之宮、三之宮といった3基の宮神輿を、各町会の氏子さんがリレーのように担ぎます。浅草神社奉賛会のホームページでは、神輿の位置をリアルタイムで確認できます。

神田祭:全行程30キロもの大行列

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神幸祭……残念ながら2016年は陰年なので、神田祭では行われません。神様の御霊が入れられた「一の宮鳳輦」「二の宮神輿」「三の宮鳳輦」が町中を練り歩く神事で、秋葉原、人形町、日本橋、大手町などを通るコースの総延長は、約30キロメートルにおよびます。

諫鼓山車や獅子頭山車など華やかな山車も参加し、行列は約500名に。夕方からは、「附け祭」の行列も加わって1000人に達する大行列となります。

附け祭……能や歌舞伎、伝説の題材を、踊屋台や曵き物、仮装行列で表現。ユニークな出し物が並ぶ神田祭ならではの行事は、江戸時代から庶民の人気が高かったと言います。

前述の神幸祭と附け祭の行列は日本橋で合流し、中央通り、秋葉原電気街を巡行して神田明神に返ります。

山王祭:500人の大行列とひと足はやい盆踊り!?

神幸祭……山王祭は6月に日枝神社で行われる神事、祭事の総称です。神幸祭は、神田祭と交替の隔年で行われます。2016年は山王祭の番で、6月10日の7:30~16:45 に齋行が決定しています。

神職を先頭に、鳳輦2基、宮神輿1基、さまざまな山車を含めた行列の総勢500人! 300mもわたる大行列が、都心を練り歩きます。

納涼大会……6月13日(土)~15日(月)の3日間(18時30分~20:00)、日枝神社の境内で行われます。奉納提灯が掲げられ、太鼓の音もにぎやか。やぐらを中心に、みんなで輪になって「山王音頭」を踊ります。屋台も出て、まさに盆踊りのような雰囲気に。

まとめ

2015年三社祭の期間中、浅草には3日間で18万5000人が訪れました。神田祭、山王祭の人出は公開されていませんが、いずれも江戸っ子が盛り上げる粋なお祭りです。

ぜひ、初夏の熱狂を体験しに出かけてみてください!

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